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第1号 ユダヤのジョーク

 私の趣味の一つに<ユダヤのジョーク>がある。<ユダヤのジョーク>は、世界のどのジョークと比べても遜色がない。風刺が鋭く、意味深長であり、ウィットに富んでおり、しかもその種類はきわめて豊富である。
周知のように、ユダヤ人は学問の世界でも、芸術の世界でも、政治の世界でも、それぞれ傑出した人物を生んでいる。民族的にみたとき、ノーベル賞受賞者の中でもっとも多いのはユダヤ民族である。 
こうした人たちは、多かれ少なかれ、その成長の過程でジョークのお世話になっている。 ユダヤ人のジョークは、知的な糧の重要な部分をなしているのである。ユダヤ民族にのみ課せられた過酷な苦難を乗り越えて生き延びてきたという歴史そのものが、ユダヤ人特有のジョークに裏打ちされている。
何回読んでも飽きない、むしろますます惹きこまれていく伝統ある<ユダヤのジョーク>をご紹介します。

 

第1号 ユダヤのジョーク===あるユダヤ人が洋服屋を経営していた。そして耳が遠いことを装ったバイトを雇っていた。ジョージが店にやってきて、ジャケットを買おうとしてバイトに尋ねた。
「で、いくらかね?」 バイトは耳に手を当てて「なんですか?」 とよく聞こえないふりをわざとした。
ジョージが「ジャケットはいくらなんだ?」と怒鳴るとバイトは「ああ、値段ですね!」 と言うなり、振り向いて、奥にいるユダヤ人に向かって聞いた。
「ボス!この紺のきれいなジャケットはいくらですか?」 と大声で叫んだ。
「40ドルでいいよ!」 するとバイトはジョージに 「ボスが20ドルでいいと言ってます」 と告げると、ジョージは素早く20ドルを置くと、買った服を抱えて、店をさっさと立ち去った。このジャケットは普段・・・・10ドルで売っている売れ残りの商品であった。===

 

===ユダヤ人が列車の中で、塩漬けのニシンを食べていた。後で捨てようと食べ残した頭を新聞紙で包んでいると、向かいに座っていたポーランド人がユダヤ人に向かって尋ねた。
「あなた方ユダヤ人は頭がいいという評判だけれど、いったいどうしたら利口になるんですかね?」
ユダヤ人は答えていった。
「それは塩ニシンを常食としているからで、特に頭の部分を食べると効き目があるといわれていますよ」
「それじゃ、その頭を売ってくれませんか」
「これは家に帰って子供に食べさせようと思っていたんですが・・・・わかりました、一つ1ズロチならお分けしましょう」
ポーランド人は5ズロチ払って、ニシンの頭を5個もらった。食べにくいのを我慢して、呑み下したポーランド人は、しばらく不快げにしていたが、やがて吐き出すように言った。
「あなたもひどい方だ。5ズロチだしたら、次の駅で、ニシン5匹買っても、お釣りが来たはずじゃないか」
するとユダヤ人が言った。
「そらごらんなさい。早速効き目が出て・・・・利口になってきたではないですか」===

 

第1号 ユダヤのジョーク===ある小金を残したユダヤ人の老人が、ついに死ぬことになった。彼は臨終の床で苦しげに言った。
「ワシが天国に行けるよう、ユダヤ教のラビと、プロテスタントの牧師と、カソリックの神父を呼んで祈ってもらおう。そして賽銭として一人1万ドルずつ払おう」 ラビと牧師と神父が病室に来て、長い祈りをささげた。いよいよという時、老人は3人に言った。「天国に行ってもお金がいるかもしれない。ですから、みなさん一人ずつ、私が差し上げる1万ドルの中から、私が死んだら2千ドルずつを私の棺の中にいれてください」 3人とも承諾した。そして老人は息を引き取った。葬式の日、神父が棺の中に2千ドルを納めた。牧師も同じように2千ドルを納めた。それからラビである。ラビはおもむろに懐から小切手を取り出すと、6千ドルと書き入れて棺の中に入れた。そして釣銭として・・・4千ドルを取った。===

H27年2月

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