数年前から裁判の傍聴に時々行っています。裁判員裁判制度が始まったからというわけではありません。「裁判長、ここはひとつ執行猶予付きということでいかがでしょう」的な本を数冊読むうちに、なにげなく刺激されたからです。
神戸市中央区の神戸地方裁判所に行きます。ウィークディの特に予定がない時は、必ず行きます。玄関に入ると、当日の裁判の日程表を見ます。法廷ごとの開始時刻、裁判内容、裁判長、書記官の名前、被告、原告の名前などが一覧できます。どういう事件を傍聴できるのか、ゾクゾクする瞬間です。小生は専ら刑事裁判を傍聴します。民事裁判は書面のやりとりが多く、あんまり面白くないからです。
覚せい剤、暴行、窃盗、強姦、傷害事件など興味は尽きません。専門用語が多く、おもわず手を挙げて質問したくなる時もあります。しかし、学会ではないので傍聴人が質問するなどあり得ません。判決文を裁判長が朗読していてあまりにも長い時など、つい居眠りが出そうな時もあります。居眠りしながらいびきをかいて、法廷侮辱罪で禁固刑にされたら大変ですので、こういう時はそっと退出して地下の自動販売機の30円の冷たい緑茶を飲みます。居眠りを我慢して裁判長の判決をよく聞いていると「ウン、そうや、その通りや!」と大向こうをうならせるものもあります。こういうとき「イヨッ!名奉行」と思わずにいられません。有罪判決を言い渡した後、被告人に優しく更生を促す裁判長の言葉から、アラーの神に負けない寛大さを教えられます。
裁判はほとんどが公開されています。興味のある方、一度傍聴に出かけてみられたらいかがでしょう。ためになります。もちろん入場料は不要です。
H27年6月