10数年前テニスエルボーになりました。テニスをやっているときには、無縁だったものが、テニスを辞めてからなる皮肉というもので、ゴルフクラブを握れなくなりました。休日の楽しみであるゴルフができなくなり、することがなくなりました。あれこれ探していましたが、これからはインターナショナルな時代。英会話をすることに決めました。そして留学しました。駅前留学のノバです。少しは上達したかなと思った2年ほどでぽしゃりました。私ではなく、ノバがぽしゃったんです。倒産したのです。
またすることがなくなり、今度は書道に目を向けました。古くなった子供の書道セットを抱えて、書道教室に申し込みがてらに見学に行きました。そこで衝撃的な光景を見ました。生徒らしき人が自分の作品を2枚ずつ、壁に張っていくのです。そして先生が、上の方がいいと言うと、下をはずして別の作品を張ります。今度は下がいいというと、上を別の物に替えていくのです。こうしたやりとりを何回かしているのです。私から見ると、どれも素晴らしい作品。レベルの高さに圧倒され、何も言わずコソコソと退散しました。中高年のための初心者向けの教室ではなかったようです。
書道は格調が高すぎるので、生涯学習のユーキャンのボールペン字の通信講座を受けることにしました。何回か添削を受けている時、<級取りませんか>の案内が舞い込みました。やってみるかと、まずは自分の住所氏名を書いて郵送し、合格すればハナマルをもらって6級。認定書を受け取り1,000円振り込み。5,4,3,2,1級を取りました。級が上がるたびに認定料が上がっていきます。1級は草書体の続け文字。<つれづれなるままに日暮らし 硯に向かいて心に移りゆくよしなしごとを そこはかとなく書きつづれば あやしうこそものぐるほしけれ>的な古文を書きます。一級の認定書をもらった後、10,000円振り込まねばいけないのですが、しばらくの間無視をしていました。数か月後、ユーキャンから 払え 払えの矢の催促<目ん玉売れ 腎臓売れ>とは言われないまでも根負けしました。相手はユーキャン。オバマ大統領ではないけれど、イエスウィキャンと遅まきながら、10,000円振り込みました。
その後今度は<段取りませんか><雅号取りませんか><毛筆はいかがですか>と底なし沼です。ボールペン字一級で満足しているので、このコーナーとはお別れしました。
H28年10月